大型旋盤 豆知識

2021.08.30

超合金の耐酸化性

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超合金が高温で使用できるのは、高温での強度が高い事は勿論ですが、他にも耐酸化性が良好であることが挙げられます。

金属は高温の大気中で使用すると、大気中の酸素によって金属が酸化され表面には酸化物(酸化スケール:金属元素と酸素の結びついた化合物)が生成されていきます。

この酸化物(酸化スケール)が表面から脱落(剥離)してしまう場合には、酸化はつぎつぎに進行して、金属の肉厚は薄くなり、形状も維持できなくなって、やがては消滅してしまいます。

逆に、できた酸化物が密着性のある緻密な被膜を形成する場合には、この酸化被膜が保護膜として働き、それ以上の酸化が進まなくなり、高温でも金属の肉厚、形状を維持し続けることができます。

代表的な酸化膜の緻密さは Al2O3>Cr2O3>Fe3O4となっており、一般的にはAlやCrを多く含有している合金は、高温で非常に良好な耐酸化性を示します。

その為、高温で使用される超合金では、高温での使用中に酸化が進まないように緻密で密着性の高い酸化被膜ができるように成分が調整されています。

具体的には、超合金は耐酸化性を付与するために、大体15~25%程度のCrが含まれています。代表的な超合金である、インコネル718では約20%のCrが含まれています。

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