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2021.08.30

超合金(超耐熱合金)とは・・・

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皆さんはインコネル718(Inconel718)という名前を良く聞かれることがあると思います。このインコネル718ですが、超合金(超耐熱合金)の中のひとつの材質名で、Special Metal Corporation.の登録商標名です。

今回は、このインコネル718(主要成分下記(※1))が属する超合金(スーパーアロイ:Super Alloy)について、その定義を簡単にご紹介します。

超合金は、高温で使用可能な耐熱性のすぐれた合金で、鉄(Fe)が50%以下、またはニッケル(Ni)、コバルト(Co)を主成分とする合金と定義されます。使用用途はガスタービン、排気エンジンバルブ、ターボチャージャーなどです。

似た様な材料で耐熱鋼(Heat – resisting steel)があります。超合金と同様に高温で使用可能な耐熱性のすぐれた鋼(はがね)ですが、鉄(Fe)を主成分とし、合金元素の添加量が50%以下のものです。使用用途はスチームタービン、ボイラーなどに使用されます。

ところで、超合金は何度くらいまで使えるの?と思われますが、融点以上では溶けて使えないのでそれ以下の温度となります。主成分の融点は、Fe:1535℃、Ni:1455℃、Co:1492℃なので、超合金と言えども融点は鉄鋼材料とほとんど変わらないか、むしろ逆に低くなっています。それなのに耐熱材料として使用できるのは、超合金が融点により近い温度まで、強度を高く維持できる性質を持っているためです。

使用可能な温度は用途によって異なりますが、高強度が必要な用途(回転体)で1000℃付近、強度が要求されない用途(静止部品)で1100~1200℃程度までです。

(※1)インコネル718の主要成分(Wt%):53Ni-19Cr-3Mo-5Nb-0.5Al-0.8Ti-残Fe(18.7)

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