大型旋盤 豆知識

2026.11.05

難削材の複雑形状を5軸で加工するときのポイント

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この記事のポイント

  • 難削材は「熱が逃げにくい」「削ると硬くなる」ため、工具の摩耗と寸法のばらつきが起きやすい材料です。
  • 複雑形状では、工具の突き出しや薄肉部の変形が問題になり、難削材と組み合わさると難易度が一気に上がります。
  • 5軸加工では、工具を傾けて短く使い、段取りを1回にまとめることで、難削材でも品質を安定させやすくなります。

難削材の複雑形状が難しい理由

難削材は、削ったときに発生する熱が材料に逃げにくく、工具の刃先に熱がたまります。また削った表面が硬くなる(加工硬化)ため、工具の摩耗が早く進みます。

詳しくは「なぜ超耐熱合金の切削は難しいのか?」で解説しています。

ここに複雑形状が加わると、深い部分や奥まった部分を削るために工具を長く突き出さなければならず、びびりが出やすくなります。翼のような薄肉部は、切削の力や熱で変形しやすくなります。段取り替えが増えるほど、位置のずれも積み重なります。

材質ごとの注意点

材質 主な特徴 加工で気をつけること
インコネル 高温でも強度が落ちにくい。熱が逃げにくい 刃先に熱が集中するため、切削速度を抑え、クーラントで冷やしながら削る。工具の摩耗をこまめに確認する
ハステロイ 耐食性に優れ、粘りが強い 加工硬化しやすいため、同じ箇所を何度もこすらず、一定の切り込みで削る
チタン 軽くて強い。熱が逃げにくく、たわみやすい びびりとたわみを抑える。切りくずは発火することがあるため、冷却と切りくずの処理に注意する
ステンレス 加工硬化しやすく、熱で伸びやすい 切れ味のよい工具を使い、切りくずを確実に排出する。温度による寸法の変化を考慮する

マシニング(3軸)では難しく、5軸ならできること

  • 角度のついた加工:3軸では治具でワークを傾け直す必要がある斜め穴や傾斜面を、1回の段取りで加工できます。
  • 3D形状・曲面への対応:翼や曲面を、工具を面に沿って傾けながら削れるため、滑らかな面に仕上げられます。
  • 奥まった部分の加工:真上から工具が届かない部分にも、角度を変えて工具を入れられます。

5軸加工で難削材の品質を安定させるポイント

  1. 工具を傾けて、突き出しを短くする:工具が短いほど剛性が高く、難削材でもびびりやたわみを抑えられます。
  2. 切削の負荷を一定に保つ:工具の向きを変えながら、刃先の同じ場所ばかりが当たらないようにします。熱と摩耗が分散し、工具寿命が安定します。
  3. 段取りを1回にまとめる:付け替えを減らすことで、基準のずれが積み重ならず、面と面の位置関係を保てます。
  4. 薄肉部は取り代を残して削る:荒加工・中仕上げ・仕上げと段階を分け、変形を逃がしながら寸法を追い込みます。
  5. 加工後に形状を測る:曲面や斜めの面は、三次元測定機で形状を確認します。当社はミツトヨ製三次元測定機(測定範囲X700・Y700・Z600mm)で測定しています。

秦精工の強み:「材質」で選ばれる5軸加工

5軸加工機は珍しい設備ではなくなりましたが、難削材の複雑形状となると、材料の知識と加工ノウハウの両方が必要です。秦精工は、特殊鋼メーカーである(株)プロテリアル安来工場の協力会社として、特殊鋼の加工に携わってきました。

  • 難削材の加工実績:インコネル・ハステロイ・チタン・ステンレスを、大型旋盤加工で日常的に扱っています。
  • 材料調達から一貫対応:流通の少ない特殊鋼も、素材の手配から承ります。
  • 5軸加工機2台と周辺設備:DMG森精機 DMU50とマキノ a500Zに加え、旋盤・研削・三次元測定まで社内で対応できます。

5軸加工機を用いた加工は大型旋盤・ターニング加工.comにお任せください。

難削材の複雑形状は、材料の特性を知ったうえで5軸加工の強みを生かすことで、品質を安定させられます。他社で断られた形状や材質も、まずは図面をお送りください。

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