大型旋盤 豆知識

2025.09.05

φ1000を超える大型旋盤・ターニング加工の加工手順とは?

ブログ・豆知識

φ1000を超える大型旋盤加工は、一般的な旋盤加工とは異なり、その巨大なサイズと重量ゆえに、特別な手順と注意が必要になります。特に、安全性の確保と高精度な仕上がりを実現するためには、適切な機械と搬送方法の工夫が不可欠です。以下に、φ1000を超える大型旋盤加工の主な手順を解説します。

1. クレーンを用いてワークを縦型旋盤へセット

まず、加工対象となる巨大なワーク(加工物)をクレーンで吊り上げ、縦型旋盤のチャックにセットします。通常の横型旋盤では、φ1000を超えるような大型ワークを支えることは困難です。ワークの重みでたわんだり、チャックから落下したりする危険性があるためです。これに対し、縦型旋盤は主軸が垂直方向にあり、ワークを上から下へ、つまり重力方向にセットするため、安定性が高く、安全に加工できます。この工程では、ワークがしっかりと固定されていることを確認することが非常に重要です。

2. 縦型旋盤での加工(片面)

ワークの片面を縦型旋盤で加工します。縦型旋盤は、大型ワークの端面や内径・外径の加工に適しています。この工程で、ワークの片側を所定の形状に仕上げます。

3. クレーンを用いたワークの反転

片面の加工が完了したら、次に反対側の加工を行うため、ワークをクレーンで吊り上げ、別の場所へ搬送して反転させます。(通常、正面旋盤であれば、機械上でワークを反転させることができます。)

この反転作業は、非常に危険が伴うため、慎重に行う必要があります。大型ワークを対象とした縦型旋盤では、一度機械から取り外す必要があります。仮に旋盤の上で、反転作業を実施すると落下した時に設備が破損するなど危険性が非常に高いです。

高精度が要求される大型旋盤加工では、この工程が繰り返し実施されます。何回も反転させて加工することで、両面の平行度などの精度をより高めることができます。

4. 縦型旋盤での加工(反対面)

反転したワークを再び縦型旋盤にセットし、反対側の面を加工します。この工程も、2番目の工程と同様に、高精度な仕上がりを追求するため、慎重に加工を行います。両面の加工が完了することで、ワークは最終的な形状に近づいていきます。

5. クレーンを用いた加工後のワーク搬送

全ての加工が完了したワークは、再びクレーンで吊り上げ、指定の場所へ搬送します。φ1000を超える大型の加工物は、非常に重く、人の手で運ぶことは不可能です。クレーンやフォークリフト、パレットなどを活用し、安全かつ効率的に運搬します。この一連の作業を通して、巨大な素材から高精度な大型旋盤加工部品が生まれます。

大型旋盤・ターニング加工なら大型旋盤・ターニング加工.comまで!

大型旋盤・ターニング加工.comでは、長年培ってきた技術力と最新鋭の設備で高精度な大型旋盤加工を実現します。お困りの際は、ぜひ大型旋盤・ターニング加工.comにご相談ください。

関連事例 一覧

一覧へ戻る