大型旋盤 豆知識
2025.10.03
大型旋盤加工品を正面旋盤で加工するメリット・デメリット
ブログ・豆知識
当記事では、大型旋盤加工に欠かせない正面旋盤に焦点を当て、そのメリットとデメリットを掘り下げていきます。
正面旋盤とは?
正面旋盤とは、主軸が水平に配置されており、主に正面削りを行う旋盤です。チャックにワークを固定して回転させながら、バイト(切削工具)を主軸の回転軸に対して垂直に送ることで加工します。
立旋盤とは?
立旋盤は、主軸が垂直に配置されている旋盤です。主軸が地面に対して垂直なため、大型で重量のあるワークをチャックの上に置くように固定できるのが大きな特徴です。ワークの自重を利用して安定させるため、大型で重量のあるワークの加工に非常に適しています。
正面旋盤と立旋盤の使い分け
この2つの旋盤は、主にワークのサイズと形状、求められる精度によって使い分けられます。
正面旋盤
直径が大きく、長さが短いワークに適しています。主に荒加工で使用します。(※当社では、φ500~φ1500mmのワークに使用します。)
立旋盤
直径が大きく、なおかつ重量があるワークに適しています。主に仕上げ加工で使用します。(※当社では、φ300~φ2500mmのワークに使用します。)
正面旋盤のメリット
正面旋盤には、以下の2つの大きなメリットがあります。
切削くず(切粉)の排出性が良い
加工中に発生する切粉は、重力に従って自然に下に落ちていきます。そのため、切粉がワークや工具に絡みにくく、長時間の自動運転が可能になります。これにより、作業者の負担が減り、加工コストの削減にもつながります。
ワークの反転が容易
大型のワークを加工する際、ワークの片面を加工し終わったら、反対側を加工するために反転させる必要があります。正面旋盤の場合、クレーンで吊ったままくるっと回転させるだけで反転できるため、作業効率が非常に高いです。一方で、立旋盤の場合はクレーンで吊った後に垂直に反転させる必要があり、大変な作業となります。
正面旋盤のデメリット
もちろん、正面旋盤にもいくつかのデメリットがあります。
精度が劣る場合がある
特に大型ワークの場合、チャックで固定する際の力のかかり方や、ワークの自重によってたわみが生じることがあり、立旋盤と比較すると寸法精度はもちろん、真円度や平面度を出すのが難しい場合があります。
ワークの脱落リスク
正面旋盤は、ワークをチャックで「掴んで」固定します。そのため、チャックの締め付けが不十分だったり、加工中に何らかの力が加わったりすると、ワークがチャックから外れて落下するリスクがあります。特に、重量のあるワークを扱う際は、安全対策を徹底する必要があります。
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