大型旋盤 豆知識

2023.06.12

立旋盤(ターニング)加工とは?横旋盤との違いを徹底解説!

ブログ・豆知識

皆様は、旋盤加工というとどんな加工風景を想像されますでしょうか。通常は、主軸が横向きに搭載されている横旋盤(正面旋盤)をイメージされるのではないでしょうか。しかしながら、大型旋盤加工の世界では、横旋盤ではなく、主軸が上向きに搭載されている立旋盤が主流なのです。当記事では、なぜ大型旋盤加工には立旋盤が重宝されているのか、また、立旋盤と横旋盤の違いについて、徹底的に解説します。

立旋盤とは?

まずは、立旋盤とはどのような旋盤加工機であるか改めて説明します。下記画像の通り、主軸が上向きに搭載されており、上から下へと削っていくことが最大の特徴です。また、主軸が上向きに搭載されていることもあり、心押台はありませんので、長尺製品の加工には適していないといえます。

立旋盤のメリット

1.大型製品の加工ができる!

例えば、横旋盤(正面旋盤)で、φ400、φ500以上の製品を加工しようとすると、製品の自重で正しくクランプすることができない場合があります。また、そもそも横旋盤では、クランプすることができないといった場合もあります。一方で立旋盤は、ワークを置くようにクランプするため、自重による影響を受けません。これによりきちんと固定することができ、高精度な加工へとつながるのです。ちなみに弊社が保有する立旋盤では、最大φ2000mmの製品へ旋盤加工を行うことが可能です。(立旋盤による加工風景をご紹介します。是非、ご覧ください。

2.複雑形状製品の加工ができる!

立旋盤の主軸には基本的に面盤が取り付けられています。理由としては、複雑形状のワークであってもクランプできるようにするためです。例えば、横旋盤だと複雑形状のワークを加工しようとした場合に、重力の影響で回るスピードが均一ではなくなったりすることがあると思います。このような重量バランスの取りづらいワークであっても、立旋盤だと重力の影響を受けないため、簡単に加工することができるのです。

3.クランプ力が強く、重切削加工ができる!

芯押しをしない状態であれば、基本的に横旋盤より立旋盤の方がクランプ力が強くなります。この理由も同様に重力の影響で、横旋盤だとワークが外れようとする方向に重力がかかるのに対し、立旋盤ではワークを押さえつけて固定する方向に重力がかかります。そのため、横旋盤では実現できないレベルの重切削加工を行うことが可能なのです。もちろん、用途、条件に応じて、クランプ力は弱めることもできます。

立旋盤のデメリット

1.芯押しができない…

前述の通り、立旋盤には芯押し台がないので、芯押しができません。そのため、やはり、長尺形状のワークの加工には向いていないといえます。ちなみに、弊社ではワークの形状に応じて、横旋盤と立旋盤を使い分けて、より高精度な加工を実現しています。(横旋盤による大型旋盤加工風景をご紹介します。是非ご覧ください。)

2.切粉のはけが悪い…

例えば、止まり穴の内径加工を行った場合、横旋盤では切粉が下に落ちていくのに対し、立旋盤では切粉がどうしても穴奥に溜まってしまいます。切粉が溜まってしまうと、工具の欠損や、ワークへのキズなど幅広いトラブルが起きる恐れがあります。立旋盤には、切粉の処理を鑑みた加工が必要というわけですね。

当社の大型旋盤加工事例をご紹介

ここまでは、立旋盤加工の概要とメリット・デメリットをご紹介します。次に、当社にて実際に加工した大型旋盤加工品をご紹介したいと思います。是非ご確認下さい。

1.高精度 薄肉リング(φ900mm)

この高精度 大型旋盤加工品は、大型旋盤・ターニング加工.COMを運営する秦精工が加工を行う旋盤加工品の中でも、特に大径かつ高精度に仕上げた大径リングになります。材質については、外径部:S25C、内径部:WJ1(ホワイトメタル)となっており、当社ではS25CにWJ1を鋳込んだものを外部から購入した上で、内径・外径そして端面の加工を縦旋盤を使って行っています。

>>事例の詳細はこちら

 

2.大型金型(φ1800mm)

このφ1800×300の大型の旋盤加工品は、大型旋盤・ターニング加工.COMを運営する秦精工が所有する、立旋盤(東芝機械)と5面加工機(三菱重工/MVR30EX、ユニバーサルヘッド付きで斜面加工も可能)を使用し、社内一貫加工を行った金型になります(なかなか写真では判別しづらいですが、緑の部分が幅1mです)。

>>事例の詳細はこちら

 

3.高精度 スペーサー(φ525mm)

この大型旋盤加工品は、ステンレスSUS403から削り出したスペーサーと呼ばれる製品です。大型旋盤・ターニング加工.comでは、お客様から材質の機械的特性の保証までのご要望を頂くことが多く、このステンレスSUS403製大型旋盤加工品に関しても、テストピースを用いて素材の熱処理ロット毎の機械的特性を専門機関にて試験・確認を行うことで対応しています。

>>事例の詳細はこちら

大型旋盤加工のことなら、大型旋盤・ターニング加工.comにお任せください!

大型旋盤・ターニング加工.comを運営する秦精工では、これまで積み重ねてきた機械加工技術・ノウハウと、各種大型機械加工設備により、大型旋盤加工のニーズにお応え致します。立旋盤のほか、大型の5面加工機や5軸加工機も取り揃えておりますので、大型の旋盤加工品に対する追加工はもちろん、特殊鋼・難削材に対するフライス加工や複雑形状の加工にも対応することが可能です。大型旋盤加工のことなら、大型旋盤・ターニング加工.comにお任せください。

関連事例 一覧

  • 投稿はまだございません
    もうしばらくお待ちください。
一覧へ戻る