大型旋盤 豆知識

2026.04.06

大型旋盤加工におけるSS400の懸念点とは?変形の理由と対策

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大型旋盤加工において、図面指示されることが非常に多い材質の一つが「SS400」です。SS400は安価で入手性が高いため、コストダウンの観点からも重宝される素材ですが、実は大型旋盤加工・ターニング加工においては特有の「懸念点」が存在します。この記事では、大型旋盤加工でSS400を用いる際に起こりやすいトラブルとその理由、そして加工精度を保つためのポイントについて詳しく解説します。

SS400が幅広く使われる理由

SS400(一般構造用圧延鋼材)は、鉄鋼材料の中でも使用される頻度が高い材質です。最大のメリットは、「非常に安価であること」と「市場での入手性が極めて高いこと」です。特別な熱処理などを必要とせず、汎用的な部品や治具、機械のベース部品など、幅広い用途で利用されています。

大型旋盤加工におけるSS400の最大の懸念点

安価で便利なSS400ですが、大型旋盤加工においては「加工中・加工後の変形(歪み)」がよく発生するという大きな懸念点があります。その主な理由は、材料の形状と製造過程に起因しています。

鋼板(板物)からの切り出しが必要

旋盤加工は、主に丸い形状(円筒形)の製品を削り出す加工です。しかし、市場に流通している大型サイズのSS400の多くは「鋼板(板物)」の状態で供給されます。そのため、大型旋盤で加工を行うためには、まず四角い鋼板からドーナツ状や円盤状にガス溶断などで「切り出し」を行う必要があります。

内部の繊維方向と残留応力による変形

SS400などの圧延鋼板は、製造工程においてローラーで強い圧力をかけられて引き延ばされて作られます。この過程で、材料内部の金属組織は、引き延ばされた方向に一定に並んだ状態になります。

この「繊維が一方向に向いた板材」から円形に切り出し、旋盤で削り込みを行っていくとどうなるでしょうか。削ることで材料内部に溜まっていた微妙な応力(残留応力)のバランスが崩れ、解放されます。繊維が縦にしか入っていないため応力の逃げ方が不均一になり、結果として製品に、寸法公差を外れるような変形が発生してしまうことがある。

特に、大型で「薄肉」のリング形状などをSS400の板材から削り出す際は、この変形が精度に致命的な影響を与えます。

変形を防ぎ、高精度に加工するための対策

SS400の板材を使用した大型旋盤加工で、変形を抑えつつ図面通りの精度を出すためには、以下のような対策や工夫が必要になります。

丸棒(丸鋼)材や鍛造品の活用

可能であれば、板材から切り出すのではなく、最初から丸棒材(丸鋼)やリング鍛造された材料を選定することで、不均一な応力の発生を抑えることができます。

焼鈍(焼きなまし)の実施

加工前に熱処理(焼鈍)を行い、材料内部に溜まった残留応力をあらかじめ除去しておくことで、加工中の変形を最小限に抑えることが可能です。

適切な加工手順(荒加工と仕上げ加工の分離)

一度に仕上げ寸法まで削るのではなく、荒加工を行った段階で一度材料の応力を逃がし、その後に仕上げ加工を行うといった、現場のノウハウに基づいた工程設計が重要になります。

SS400の大型旋盤・ターニング加工なら大型旋盤・ターニング加工.comまで!

大型旋盤加工においてSS400はコストメリットの大きい素材ですが、その性質を正しく理解し、変形を見越した段取りや加工工程を組まなければ、要求される精度を満たすことはできません。

大型旋盤・ターニング加工.comを運営する秦精工では、SS400の特性を知り尽くした熟練の技術者が、材料取りから加工手順まで最適な方法を選定し、高精度な加工を実現します。SS400特有の変形にお悩みの方、コストダウンと精度の両立を図りたい方は、ぜひ大型旋盤・ターニング加工.comにお気軽にご相談ください。最適なVA/VE提案を含め、全力でサポートいたします。

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