大型旋盤 豆知識

2026.01.09

図面どおりの精度が出ない…大型旋盤加工で精度不良が発生する理由

ブログ・豆知識

大型ワークは自重や形状の影響を受けやすく、汎用的な旋盤加工と同じ感覚では太刀打ちできない特有の難しさがあります。本記事では、大型旋盤加工で精度不良が発生する主な5つの理由とその対策を詳しく解説します。

理由①:切削条件が最適化されていない

切削速度、送り量、切り込み深さといった「切削条件」が不適切だと、刃先の摩耗を早めるだけでなく、加工熱によるワークの熱膨張やビビり(振動)を引き起こし、寸法精度や面粗度に悪影響を及ぼします。

【対策:切削条件の適正化】

被削材の材質やワークの剛性に合わせ、カタログ値だけに頼らず現場での微調整が必要です。特に大型ワークの場合、加工時間の短縮を狙って無理な条件を設定しがちですが、最終的な精度を優先するために、仕上げ加工では最適な周速一定制御の活用や、適切なクーラント供給による熱制御を徹底しましょう。

理由②:工作機械自体の精度や剛性の問題

加工精度は、使用する工作機械のコンディションに大きく左右されます。大型旋盤は長年の使用によるレールの摩耗や、心押台の芯ズレ、経年変化によるベッドの歪みなどが生じている場合があります。機械自体の剛性が不足していると、切削抵抗に負けて刃物が逃げてしまい、精度不良が発生します。

【対策:工作機械のメンテナンス・選定見直し】

まずは定期的なレベル出しや芯出し調整を行い、機械の静的精度を維持することが基本です。それでも精度が出ない場合は、より剛性の高い機械への更新を検討する必要があります。また、ワークの重量に対して機械の許容荷重が余裕を持っているかも再確認してください。

理由③:ワーク自体の剛性不足・変形

大型旋盤で扱うワークには、薄肉のリング形状や長尺物など、剛性が低いものが少なくありません。チャッキング(クランプ)時の圧力による歪みや、加工中の切削圧力によってワークそのものが逃げてしまうことが精度不良の大きな原因となります。

【対策:適切な治具の設計とサポート】

例えば、薄いリング状のワークの外径を削る際、チャックの爪で強く締め付けると、加工後にチャックを外した瞬間にワークが元の形に戻ろうとして歪んでしまいます。この場合、内径に専用の「なじみ治具」やサポート用の芯金を挿入し、力が分散されるように保持することで変形を防ぐことが可能です。ワークの形状に合わせた最適な治具設計が、高精度加工の鍵を握ります。

理由④:前工程(材料製造工程、荒加工工程)の歪みの残留

大型ワークの多くは、鋳造や鍛造等により製作されています。これらの材料には製造段階での「残留応力」が蓄積されています。また、これらの材料に対しての荒加工を行うことで、さらに「残留応力」が蓄積されます。これらが残ったまま仕上げ加工を行うと、加工中や加工後に寸法不良につながるケースがあります。

【対策:材料の見直し、アニール処理による応力除去】

仕上げ加工に入る前に、材料の状態を確認することが重要です。どうしても残留応力による歪が懸念される場合には、主に2つの方法で対策できます。1つ目は、材料調達先と連携してより内部応力の少ない素材を選定するといった「工程の根底からの見直し」です。2つ目は、荒加工と仕上げ加工の間に「応力除去焼鈍(アニール処理)」を行うことです。これにより、内部応力をあらかじめ取り除いた状態で最終仕上げを行えるため、精度不良を抑制することができます。

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