大型旋盤 豆知識

2025.05.16

ダイス鋼:SKD11とSKD61の違いとは?

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本記事では、大型旋盤・ターニング加工でよく用いられるダイス鋼の「SKD11」と「SKD61」に焦点を当て、それぞれの特性や用途、そして具体的な違いについて詳しく解説します。ダイス鋼についてより深く理解したい方は、ぜひ最後までお読みください。

ダイス鋼とは?

ダイス鋼は、高強度を誇る合金工具鋼であり、日本の工業規格、JISでは「SKD」という記号で示されます。「ダイス鋼」という名称は、金型部品に頻繁に使用される材質であることから、「ダイ(Die)」の複数形に由来すると言われています。このSKD材の中でも特に知られているのが、冷間金型に用いられる「SKD11」と、高温環境下で活躍する「SKD61」です。基本的には、双方焼き入れ・焼き戻しを行い、狙った硬度を実現した上で使用します。

さて、この優れた特性を持つダイス鋼(SKD材)ですが、S50Cに代表される炭素鋼と比較すると、その高い強度ゆえに加工にはより高度な技術が求められるといえます。

ダイス鋼の種類と用途

ダイス鋼には、成分や特性によって様々な種類が存在します。ここでは、その中でも代表的なSKD11とSKD61について、それぞれの特徴と主な用途を見ていきましょう。

SKD11(冷間ダイス鋼)

SKD11は、高炭素高クロム鋼に分類される冷間ダイス鋼です。炭素(C)やクロム(Cr)を多く含むことで、非常に高い硬度と優れた耐摩耗性を実現しています。用途によりますが、一般的には焼き入れ・焼き戻しにより、硬度「HRC56~61」で使用されます。SKD11は、素材特性上、その名の通り、冷間鍛造金型に用いられています。具体的な用途は下記の通りです。

・金型:冷間塑性用(プレス・板金等)の金型に用いられます。
・刃物:粉砕機などの刃物にも用いられるケースがあります。

SKD61(熱間ダイス鋼)

SKD61は、熱間ダイス鋼に分類される合金工具鋼です。クロム(Cr)に加えて、モリブデン(Mo)やバナジウム(V)を含むことで、高温における強度や靭性、耐摩耗性を向上させています。用途によりますが、一般的には焼き入れ・焼き戻しにより、硬度「HRC42~53」で使用されます。SKD11とは反対に、熱間加工の金型に用いられています。具体的な用途は下記の通りです。

・金型:熱間加工(ダイカスト鋳造、熱間鍛造等)の金型に用いられます。

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