大型旋盤 豆知識
2025.02.10
大型旋盤・ターニング加工に用いられるハイス鋼・ダイス鋼の違い
ブログ・豆知識
大型旋盤加工やターニング加工では、加工する素材の硬さや形状、用途に応じて様々な工具材料が使用されます。中でも、ダイス鋼とハイス鋼は代表的な工具材料ですが、それぞれ特性が異なります。今回は、ハイス鋼とダイス鋼の特徴や違い、用途について詳しく解説していきます。
ハイス鋼とは?
ハイス鋼とは、「高速度工具鋼」の略称で、ハイスピードスチール(High-Speed-Steel:HSS)という由来を基に、「ハイス鋼」と呼ばれます。主に、クロム(Cr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)などの合金を添加した鋼材です。一般的には、切削加工後に焼き入れ等の熱処理を施したあと、研磨されることが多いです。主な特長は下記の通りです。
高い硬度が出る:焼入れすることで非常に高い硬度を得られます。
耐摩耗性に優れる:耐摩耗性に優れており、長時間の使用にも耐えられます。
素材価格が高価:ダイス鋼に比べて高価です。
ハイス鋼の主な用途
切削工具:ドリル、エンドミル、リーマなど、切削工具に多く用いられます。
ダイス鋼とは?
ダイス鋼とは、強度に優れた合金工具鋼で、JIS規格ではSKDと呼ばれます。ダイス鋼という名前の由来は、金型部品に使用されることが多い材質であるため、「ダイ」の複数形からきています。主なSKD材の例としては、一般的に冷間金型に使用される「SKD11」、熱間金型に使用される「SKD61」などがあります。この通りダイス鋼は、大きく「冷間ダイス鋼」と「熱間ダイス鋼」の2種類に分けられます。下記にて特長をご紹介します。
高い硬度が出る:焼入れすることで非常に高い硬度を得られます。
耐摩耗性に優れる:耐摩耗性に優れており、長時間の使用にも耐えられます。
高温環境での耐久性が高い:高温環境下でも硬さを維持し、高温強度・靭性等、安定した性能を発揮します。(※熱間ダイス鋼のケース)
ダイス鋼の主な用途
①冷間ダイス鋼
金型:冷間塑性用(プレス・板金等)の金型に用いられます。
刃物:粉砕機などの刃物にも用いられるケースがあります。
②熱間ダイス鋼
金型:熱間加工(ダイカスト鋳造、熱間鍛造等)の金型に用いられます。
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