大型旋盤 豆知識
2025.08.08
大型旋盤加工で用いられるインコネルとハステロイの違いとは?
ブログ・豆知識
大型旋盤加工の世界では、インコネルやハステロイといった特殊な合金が重要な役割を果たします。これらの素材は、一般的な金属では対応できないような特殊な環境下で重宝されるため、それぞれの特性を理解し、適切な場面で使い分けることが不可欠です。この記事では、インコネルとハステロイの特徴や違い、そしてそれぞれの素材がどのような加工や用途に適しているのかを詳しく解説します。
インコネルとは?
インコネルは、ニッケルを主成分とした耐熱性に優れた合金です。特に高温環境下での強度や耐久性が求められる場面で真価を発揮します。この合金は、熱にさらされても組織構造が安定しており、一般的な鋼材のように強度が低下しにくいのが大きな特徴です。そのため、ジェットエンジンの部品やガスタービン、ロケットモーターなど、極めて高い温度に晒される航空宇宙産業や化学プラントなどで広く採用されています。また、酸化や腐食にも強いため、過酷な環境下でも長期間にわたって性能を維持することができます。
ハステロイとは?
ハステロイは、主にニッケルとモリブデン、クロムを主成分とする耐食性に特化した合金です。特に、酸やアルカリなどの化学薬品に対する耐性が非常に高く、厳しい腐食環境での使用に適しています。ハステロイは、高温環境下でも優れた耐食性を保つため、化学工業や原子力産業などでも幅広く用いられています。一口にハステロイといっても、成分比率によって多くの種類があり、それぞれの特性に応じて特定の腐食環境下での性能が最適化されています。
インコネル・ハステロイの違い
インコネルとハステロイの違いについて、まとめた表をご紹介します。
表を挿入
高温環境下での使用:インコネル
インコネルは何よりも高温環境下での使用が想定される場合に選定すべきです。例えば、大型旋盤加工で製造される部品が、高温のガスや液体に触れる状況、あるいは熱サイクルが頻繁に繰り返される状況で使用される場合などです。具体的には、航空機エンジンの燃焼室部品や、タービンブレードなどが挙げられます。これらの部品には、高温でも形状が変形したり、強度が低下したりしない安定性が不可欠です。インコネルは熱に対する耐性が非常に高いため、このような過酷な環境でも信頼性を確保することができます。
耐腐食性が求められる場合:ハステロイ
一方、ハステロイを選定する基準は、高い耐腐食性が求められる場面です。特に、強酸や強アルカリ、塩素化合物など、腐食性の強い化学物質に晒される環境での使用に適しています。化学プラントの反応容器、排ガス処理装置など、腐食による劣化が製品の寿命や安全性を左右するような部品には、ハステロイが最適です。大型旋盤加工で精密に加工されたハステロイ部品は、長期間にわたって化学的攻撃に耐え、設備の安全な稼働に貢献します。
難削材の大型旋盤・ターニング加工なら大型旋盤・ターニング加工.comまで!
大型旋盤・ターニング加工.comでは、長年培ってきた技術力と最新鋭の設備で、高精度な難削材の大型旋盤加工を実現します。難削材の加工でお困りの際は、ぜひ大型旋盤・ターニング加工.comにご相談ください。
関連事例 一覧
- 投稿はまだございません
もうしばらくお待ちください。